趣味では自転車にはまっていました。大学院では数学、中でも「保険数理」を専門にしていたので、就活でも、アクチュアリーとして活躍したいと考え、志望は保険会社一本。中でも、損害保険会社は扱う商品も幅広く、いずれ商品開発がしたいと思っていた私にはピッタリでした。
※アクチュアリー:保険数理士。数学を駆使して保険、年金等金融商品の将来性やリスクを分析、評価する専門家。保険業界だけではなく、銀行やコンサルティングファームでも活躍。
保険引受リスクを計測するシステムの開発や、そのシステムを海外の子会社に導入する支援などを担当しました。自分の数理スキルを活かす部署だったのでなじみやすい部分もありましたが、専門用語も多く飛び交っていたため、入社当初は先輩が何を言っているのか理解するだけで精一杯。そして、英語への対応も大変でした。入社時のTOEICは500点台だった私ですが、海外子会社とのやりとりも多いため、英語を勉強する必要に迫られました。英会話の勉強に使った社内の補助制度はありがたかったですね。
海外子会社への対応を評価してもらい、また勉強の甲斐あってTOEICの点数も向上。そんな折に、なんと海外出向の打診が。業務では英語を使っていたものの、海外では当然やりとりは100%英語に。勉強で自信がついてきたとはいえ、うれしさ半分、不安半分でした。
実際に海外出向が決まる前、上司から呼び出されて内々に相談されたときには、ものすごく不安でした。一方で、めったにないチャンスを逃すのももったいないと思い、最終的には不安より好奇心が勝って海外行きを決めました。
1年の予定が、最初の半年はコロナの影響もあり、トータル1年半の出向となりました。仕事は、専門である保険引受リスクの計測と、本社のリスク管理部門と現地の橋渡し役。ここでは、文化と言語の違いに苦労させられました。時には本社と現地社員の間で板挟みになることも……。その中で、丁寧に対話を重ねて、相互理解を深めることの大切さを学びました。余暇の楽しみは、好きな自転車に乗ってイギリスの風景を眺めることでした。
自分が組織の中でどう貢献できるか、をさらに意識するようになりました。自分の強みは専門領域の「深掘り」にあると気づきました。そこで、これまで担当してきた引受リスク計測につぐ、第二の専門領域を開拓、獲得したいと考えて、帰国後の希望部署を申し出ました。
日本に帰って、他の事業領域も経験してみたいと思い始めてから、現地にいる他の駐在員に話を聞き続けていました。そのうちに、リスク管理部門の中にある資産運用関連の仕事に興味を持ちました。駐在中は自転車好きが何人かいて、いっしょにサイクリングもしていました。
新たに導入されるソルベンシー・マージン規制について、資産運用リスクの計算方法の検討や、業務フローの構築を担当。まったく新しい業務に携わり、数値の作成手順やチェック方法などを一から構築する経験を積みました。経理や財務企画など、社内のいろいろな部署が関係してくる業務のため、これまでとは違った対応が必要です。考えることも多くて大変な側面、自分のやりたいようにできるのでやりがいも大きいですね。
入社以来、基本的にずっとリスク管理の業務を担っていますが、業務内容の幅は広く、驚くくらいに毎年やることは変わっています。それだけに、飽きずに続けられているのかなとも思います。海外駐在を含め、いろいろな経験をさせてもらっているので、最初の配属がリスク管理部でよかったなあとあらためて感じています。今の部署では先輩よりも後輩の方が多くなり、人に仕事を任せることも増え、マネジメントにも興味が出てきました。今後スペシャリストへの道も含めて、模索していきたいと考えています。
リスク管理部門で培った、会社全体のリスクを俯瞰し評価してきた経験を活かして、今後は資産運用の実行や、保険商品の開発など、個別のリスクを評価・コントロールする領域で活躍できたらと思っています。それに、会社以外の「居場所」も作っていけたらいいなあと考えています。趣味の自転車屋とか、農業とか……。妄想は膨らみますね。